遺体安置って必ず必要なの?遺体安置場所は誰がどのように決めているの?
死亡宣告を受けてから火葬までの遺体安置の必要性と、安置場所を選択するための情報を詳しくお伝えします。
1.遺体安置の流れと遺体安置期間について
〈葬儀の流れ〉
訃報を受けてから葬儀が終わるまで、一般的には3~5日かかります。葬儀の日程調整や火葬場の空き状況などにより、7日程かかる場合もあります。
死亡宣告から24時間以内は法律によって遺体を火葬することは禁止されています。
そのため24時間は遺体を保管する必要がありますが、病院などの霊安室は2~3時間程しか利用出来ません。遺族は死亡宣告を受けてすぐに、ご遺体を安置出来る場所へ移送する手続きを行う必要があります。死亡宣告後~火葬までが遺体安置期間となります。
遺体の搬送は、葬儀社や遺体搬送業者へ依頼しましょう。葬儀社に連絡する際、葬儀をどこであげるか決まっていない場合には、トラブルを避けるため遺体搬送のみの依頼であることを明確に伝えておきましょう。
また、遺体の搬送には「死亡診断書」の携行が必要です。死亡診断書は、遺体搬送のほか7日以内に役所へ死亡届を提出する際にも必要となります。
2.遺体安置場所はどこになるの?選択肢とメリット・デメリットを解説
遺体安置場所として複数の選択肢があります。費用や住宅事情、生活環境等を考慮したうえで遺族は安置場所を選択することが可能です。近年では病院や介護施設で亡くなる方が大半となっており、葬儀を行う場所へ安置することが一般的です。
①民間の葬儀社
②自宅安置
③遺体安置施設
④お寺
⑤公営の斎場・火葬場
①民間の葬儀社
コロナ禍以降葬儀場での家族葬が増加し、病院や介護施設から葬儀社の遺体安置室へ移送するケースが増えました。自宅に安置できるスペースがない・搬入経路を確保できない場合や、ご近所の目に触れたくない・弔問客に対応する余裕がない等、住宅事情やご近所付き合いの変化、生活環境に合わせて選択されています。
葬儀社や遺体安置施設に預ければ、ご遺体の管理をプロにお任せでき安心です。遺体搬送~火葬まで含めた葬儀プランになっているので、手続きの面でもご負担が軽減されるでしょう。
遺体安置冷蔵庫を備えた施設や、個室タイプの安置部屋を備えているなど、葬儀社よってタイプが異なります。面会時間や付き添い可否・料金など含め、お申込み前に確認をしてください。
②自宅安置
自宅安置を選択するケースは、自宅で亡くなった場合や自宅葬のほか、病院や介護施設等で亡くなった場合に「一度お家に帰らせてあげたい」「葬儀まで故人とゆっくり過ごしたい」と願うご遺族のご意向による場合が多いです。
自宅安置チェックポイント
・搬入経路の確認
・遺体安置スペースの確保
・枕飾りや祭壇の設置
・ドライアイスや冷房でのご遺体の管理
・弔問客への対応
室温が低温に保てない場合やご遺族が看病などで疲労している場合、また火葬まで4日以上がかかる場合等には、ご遺体の管理の面から遺体安置設備が整った場所での安置を検討しましょう。
③遺体安置施設
遺体安置施設は遺体を預かることに特化した施設です。遺体安置冷蔵庫などを設置しており、遺体保管に関する知識のある専門のスタッフのもと長期期間衛生的に管理されます。火葬まで日数がかかる場合や直葬の場合等に選択されています。
身体的にも時間的にも負担のかかる一般葬よりも、故人とゆっくり最期のお別れができる滞在型の安置施設は、遺族の心のケアの面からも近年需要が高まってきました。
ご遺族の方も滞在・宿泊可能な個室部屋タイプ、火葬式プランまで用意している施設、複数体収容可能な大型の施設まで現代のニーズに合わせて多様化しています。
民間の遺体安置施設は特徴や費用にも幅がありますので、遺体搬送や遺族の面会・宿泊可否等事前に確認しましょう。
④お寺
葬儀社がお寺と提携している場合や、菩提寺がある方・檀家の方はお寺の本堂や併設された葬儀会館にて葬儀を行う寺院葬を選択する方もおられます。
近年では菩提寺がない方も増え、寺院葬自体は減少傾向にありますが、遺体安置設備の整った寺院は徐々に増えてきています。
お寺への遺体安置が可能な場合のメリット
・お葬式前の親族の面会や弔問客の対応が可能
・枕元読経をあげてもらえる
・葬儀の際遺体搬送の手間がない
※対応していない寺院もありますのでご利用前にご確認ください。
お寺への遺体安置ができない場合には、ご自宅や葬儀社・遺体安置施設等での遺体安置を検討しましょう。
⑤公営の斎場・火葬場
公営の斎場・火葬場に設置された霊安室や遺体安置施設は、誰でも利用することが可能です。市区町村在住の方は安い費用で利用可能です。年末年始などは閉所しています。
遺体安置数は多くないため、空き状況によって利用出来ない場合があります。面会出来ない場所もありますので事前に確認してください。
3.遺体安置方法の種類と保存期間について
遺体安置方法の種類は、主に3つあります。ドライアイス・遺体安置冷蔵庫・エンバーミングです。それぞれ遺体保存可能な期間がありますので種類ごとに詳しく見ていきましょう。
①ドライアイス
②遺体安置冷蔵庫
③エンバーミング
①ドライアイスを使用した遺体保存
葬儀までの日数が3日程度なら、ドライアイスでも遺体の腐敗を防ぐことは可能です。自宅安置の場合、冷房で室温を18度以下に保つことも必要となります。ドライアイスは1日1回10㌔程度使用し、毎日補充が必要です。
費用の相場:ドライアイス代1回10㌔あたり1万円×日数分
ドライアイス使用のデメリット
・低温やけどや二酸化炭素排出するため取扱いに注意が必要
・遺体保管期間が4日以上かかる場合には遺体の腐敗が進行するリスクがある
・ドライアイス自体の不足や価格高騰
ドライアイス費用が葬儀プランに含まれている場合でも、最低限の使用料のみしか含まれていないケースもあり日数により追加費用がかかるため見積り内容も事前に確認しましょう。
②遺体安置冷蔵庫での保存
葬儀社や斎場・火葬場、遺体安置施設などで遺体安置冷蔵庫を導入・設置している場所が増えてきました。
1体用の冷蔵庫から複数体保存可能な大型の冷蔵庫まで様々なタイプがあります。冷蔵施設では遺体の腐敗の進行を防ぐ4℃以下の設定であることが多く、1週間以上から1ヶ月以上保存可能なものもあります。火葬まで日数がかかる場合には遺体安置冷蔵庫を備えている施設を検討しましょう。
費用は民間・公営、専用施設等場所によって差があります。
遺体安置冷蔵庫であればドライアイス不要でご遺体を管理すること可能ですが、腐敗の進行には個体差がありますので、遺体の状況を見ながらドライアイスを追加する場合もあるようです。
③エンバーミング処置による保存
海外から遺体搬送が必要な場合や、遺体に損傷などがあり修復が必要な場合、感染症で亡くなり感染のリスクが高い場合等には、エンバーミングという遺体保存方法があります。
病原菌やウィルスの殺菌・消毒、血液や体液を取り出し防腐剤の注入、損傷箇所の修復・化粧をします。ドライアイスや保冷なしに10日~2週間程度はご遺体が安全に保たれますので、安心してご遺体に触れることも可能です。IFSA(一般社団法人日本遺体衛生保全協会)では処置後のご遺体を保存するのは50日を限度とし火葬または埋葬することとしています。
エンバーミング処置費用の相場は、15万円から25万円程度です。別途、遺体搬送費や安置施設費用がかかります。空輸が必要な場合には航空運賃等もかかり費用はさらに高額となります。
4.遺体安置にかかる費用項目と相場について
遺体搬送や遺体安置費用は、基本的には葬儀社の葬儀プランに含まれています。距離や日数により追加費用やオプション料金がかかる場合があります。各項目が葬儀プランに含まれているか確認しましょう。
①遺体搬送の費用について
遺体搬送は主に3つの移動があります。
・亡くなられた場所から遺体安置する場所までの移動
・遺体安置場所から通夜・葬儀会場への移動
・葬儀会場から火葬場への移動
遺体搬送費=距離料金+オプション料金 相場7万円~10万円
長距離移動の場合は、ドライバーの人件費や高速代なども確認が必要です。
②遺体安置場所毎の費用項目と相場について
【民間の葬儀社に安置する場合】
【自宅安置の場合】
【遺体安置施設の場合】
【公営の斎場・火葬場の場合】 ※市区町村内在住の方
大切な方を亡くした時、ご遺族の方は悲しみの渦中にありながら葬儀の準備や訃報の連絡など大変なご負担を強いられます。
特に遺体安置場所や葬儀社の選択については、死亡宣告の直後に手配しなければならず、事前の情報なしには心情的にも時間的にも冷静な判断をすることは難しいでしょう。
病院や介護施設等の提携葬儀社を紹介されるケースも多いですが、終活の一環として事前に調べてご家族で話し合いをしている方もおられます。
いざという時に慌てずに後悔しない最期のお見送りをするために、遺体安置場所についても可能な限り事前にお調べしておくと安心です。
5.遺体安置冷蔵庫をお探しなら「おくりこ」へ
遺体保存に欠かせないドライアイスですが、価格の高騰や供給不足、毎日交換する手間等で、現場のご負担になられているのではないでしょうか。
遺体安置冷蔵庫なら、ドライアイス不要でランニングコストも低く抑えられます。
こちらの記事では、遺体安置施設の増築、改築、新規設置等をご検討されている方に向けて、「遺体安置冷蔵庫」のメーカー・タイプ別の商品特徴やコストについて比較・解説致します。
遺体安置冷蔵庫メーカー商品一覧表(作成中)
・商品名
・商品特徴
・初期費用(導入・設置費用)
・ランニングコスト
・サポートについて
たつみ工業の遺体安置冷蔵庫「おくりこ」について
たつみ工業は大型冷蔵庫メーカーとして創業62年の実績があり、首都圏のコンビニエンスストアの大型冷蔵庫をほぼカバーしています。
大型冷蔵庫メーカーのノウハウを生かし、現調・設計・企画・部品生産・運搬・設置・保守メンテナンスまでを自社でまかない、顧客ニーズへの柔軟な対応、高品質・耐久性・低コスト・アフターフォローまで実現しているところが強みです。
遺体安置冷蔵庫は1~2体用が主流ですが、たつみ工業の「おくりこ」は、空いている空間を完全自由設計し2体~30体以上にも対応できるなど、他社にはないカスタムメイドが特徴となっています。
【自由設計の例】
・狭小スペースでの設置
・柱や梁によるデッドスペースの有効活用
・大型倉庫の活用
・遺族も面会可能なスペースの設置
・外装カラー鋼板選択
・同じスペースで安置数を増やしたい
・扉の開く向きを変えたい
上記はほんの一例で、現場ごとの様々なご要望にお応え可能です。
▶たつみ工業「おくりこ」の商品ページ
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